こんにちは。めさめさです。
ちょっと前の話になりますが、とあるテレビ番組にて「コロナ禍で失業した後、職業訓練校からWebデザイナーを目指して勉強されている方」の特集をやっていました。
コロナ禍で職を失い、明日からの生活も危うい方は本当に多くいらっしゃいます。
そんな状況だから「デザインで手に職を」っていう話になってるんだと思うのですが、本当の所はどうなんだろうな、と。
実際に同じような状況で、同じように考えている方もまだまだ多くいらっしゃると思うので、現役Webデザイナーの筆者から見た「職業訓練校で目指すWebデザイナー」メリットとデメリットについてご紹介します。
そもそも職業訓練校とは
「職業訓練校ってどんな所?」「名前しか知らない」という方もいらっしゃると思いますので、まず最初は職業訓練校について簡単に説明しますね。
職業訓練校について
ハロートレーニング(公的職業訓練)とは、雇用保険(失業保険)を受給している求職者を主な対象とする「公共職業訓練」と、雇用保険を受給できない求職者を主な対象とする「求職者支援訓練」の総称です。キャリアアップや希望する就職を実現するために、必要な職業スキルや知識を習得することができる公的な制度です。
厚生労働省より引用
簡単に言うと、ハローワークから申し込める失業者向けの希望する職種に再就職する為に必要なスキル・知識を身につけるためのスクールです。
国や自治体が主体となって運営しており、年間約30万人が利用しているといわれています。
事務職で必要なPCスキルや介護職員初任者研修をはじめ、電気設備・工場勤務に必要なスキル学習がメインですが、最近ではWebデザインやプログラミングなどの学習も可能となっています。
さて、職業訓練校がどんな所かご理解頂けたかと思いますので、ここからは職業訓練校でWebデザインを学ぶメリット/デメリットについてご紹介していきます。
職業訓練校でWebデザインを学ぶメリット
①基本的に利用は無料
職業訓練校に通うのは、授業で使用する教材以外は無料となっています。パソコンやAdobe系ソフトも職業訓練校から貸し出しを受ける事ができますが、自宅に持ち帰るなどは出来ない様です。
その為、自宅に帰って復習したいという方は機材導入費用はどうしても掛かってしまう点に注意しましょう。
ただしそれら機材・ソフトウェアは職業訓練校だけの特別価格として約30%の割引を受けた状態で購入できる場合もある様です。時期によってはamazonや楽天で購入した方が安くつくこともありますよ。
②失業保険がすぐに支給される
失業中にハローワークにて各種手続きを行えば失業保険を受給する事ができますが、約3〜6ヶ月程度の待ち時間が発生します。しかし職業訓練校に通うことでこの待ち時間が無くなり、速やかに受給する事が可能です。
失業保険に加えて、特定の条件を満たした場合は各種給付金を受給できる可能性もあるので、詳しくはハローワーク/職業訓練校の担当者に問い合わせると良いでしょう。
…ここまでご紹介したメリットですが、職業訓練校でWebデザインを学ぶ特別なメリットはあまり無く、単純に「職業訓練校に通うメリット」となっています。
むしろここからご紹介するデメリットの方が多いのですが、どうかご了承下さい。
職業訓練校でWebデザインを学ぶデメリット
①職業訓練校に通うために試験・面接を受ける必要がある
筆者もこの記事を書くまで知らなかった事でしたが、人気の職業訓練校(Webデザインやプログラミングが学べる所)に入るには試験・面接を通過する必要があります。時期によってもマチマチですが、倍率は2〜5倍とのこと。
職業訓練校は国や自治体によるサービス、つまり公費で賄われている学校です。また基本的に学校に登校して学習する必要もあり、人数制限が必要なのは仕方のない事かもしれません。
「Webデザイナーになりたい」と思って利用を考えても、それ以前に人数制限や試験などで学ぶ場すら提供されないというのは大きなデメリットと言えますね。
②学習できるスキルの粒度は学校によってマチマチ
職業訓練校で学ぶWebデザインスキルとしては、基本的には以下が中心です。
- Photoshop / Illustratorの操作方法
- HTML / CSSコーディング
一般的なWebデザインスクールなどに比べると、初歩レベルといった印象です。
一部の職業訓練校ではWordPressの操作方法やJavaScriptのスキルまで学習できる出来る所もある様なので、通学を検討している職業訓練校に問い合わせる方が良いでしょう。
学習内容的にはドットインストールや参考書籍でも十分代用が効くレベルです。職業訓練校では講師から直接学ぶ事ができますが、そこに対するこだわりが無いのであれば訓練校以外での学習も考慮するべきかもしれません。
以下の記事ではWebデザイナーになる為の様々な勉強方法ご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
③就職支援は期待できない
例えWebデザインのスキルを学んだとしても、肝心の就職が上手くいかなければ意味がありませんよね。職業訓練校はハローワークとセットですから、その辺は上手くやれそうと思いがちですが、こちらもあまり期待出来ないと筆者は考えています。
Webデザインの就職先としては様々なものがあると思いますが、まず思いつくのはWeb制作会社でしょう。しかし世の中にある制作会社が求める人材は、「即戦力となる経験者」であって、「育成込みの未経験者」ではありません。
募集要項に「経験者のみ」と記載されているケースがその殆どを占めるので、就職支援の有無はもはや関係ありません。ただしWebの技術を活かせる「Webデザイナー以外の働き方」であれば十分に可能かと思います。
Webデザイナーの働き方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
またハローワークの職員も、Webデザインに詳しく無い方が殆ど(もちろんハローワークごとに傾向は異なると思いますが)なので、相談しようにもあまり力になってくれないのが実情かもしれません。
以前失業した際に、ハローワークへ失業保険の申請に行ったことがあります。
その際自分の職業がWebデザイナーであることを伝えると、「あらー、最近はそういう人多いけど、私らも全然分からへん仕事やわ〜」と本音を漏らされていました、、、
ちょうど1年前ぐらいです。
基本的にハローワークでは自分自身で仕事を見つけるのですが、職員さんもそんな感じらしいので、就職支援にはあまり期待しない方が良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、Webデザインを職業訓練校で学ぶメリット・デメリットについてご紹介させて頂きました。以下は本記事のまとめです。
職業訓練校でWebデザインを学ぶのはデメリットが多い
メリットの一つである「無料で学べる」というのは大変嬉しいポイントだと思います。失業中の方の中には金銭的に心許ない方もいらっしゃいますので、職業訓練校を頼りに学習を進めるのはアリと言えますね。失業保険に関しても同様です。
ただ金銭的に心許ない等の特別な理由がない限り、職業訓練校でWebデザインを学ぶことはおすすめ出来ません。
- 訓練校の利用そのものに面接や試験があり、確実に学習できるとは限らない事
- 学べるスキルとしては初歩レベルで、ドットインストールや参考書籍でも十分代用が効く事
- 就職(※特に制作会社に正社員で 等)は難しい事
といったデメリットが多いことは注意しましょう。
【余談】職業訓練校は人生を見つめ直す場所ではない
本記事と同じ様な内容で記事を執筆されている方が多数いらっしゃいますが、その中で特に目立ったのが「職業訓練校でWebデザインを学ぶことで人生を見つめ直せる」という事をメリットとして挙げられている事でした。
もちろんそれでも良いですが、筆者としては「どうなんだそれは」と思ったりするところでして。
職を探す・学ぶ場で「人生を見つめ直し」ていたって正直どうにもならない訳です。
その時間があるなら先にアルバイトでもして、お金を貯めてWebデザインスクールに通った方が良いのではないでしょうか。アルバイトをしていたら人生を見つめ直せない、なんて事はないはずです。転職エージェントサービスを使えば、実際にWebデザイナーとして働きながら学べる企業も見つけることも可能です。
正直言って、Webデザインの学習には決して安くないお金が掛かります。
無料でWebデザインの学習をするのは、それ相応の覚悟が必要だという事は覚えておいた方が良いかもしれません。
Webデザイナーを目指すあなたへ
Webデザイナーを目指すあなたにおすすめしたいのが「デジタルハリウッド STUDIO by LIG」。
初見でこのスクールの存在を聞いた時はビックリして腰が抜けそうになりました、、、笑
以下の記事では「デジタルハリウッド STUDIO by LIG」が何故おすすめできるのか、現役Webデザイナーである筆者の視点も交えつつ、熱く語っておりますので是非チェックしてみてくださいね!
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